2003年6月2日にディジタルシネマコンソーシアム(DCC)(会長
東京大学青山教授)、デジタルシネマラボ/デジタルシネマ研究コンソーシアム、デジタル映像事業委員会(DCAj)の主催で「ディジタルシネマ・シンポジウム2003」が開催されました。当日は、ディジタルシネマの最新成果や動向がデモンストレーションを交えて報告されるとともに、ディジタルシネマの今後のビジネス化の課題等に関してパネルディスカッションにおいて活発な議論が行われ、約400名のディジタルシネマに関心のある映画関係者、通信事業関係者及びメーカ関係者を集めました。
シンポジウム最初の講演「4Kディジタルシネマの最新動向」において、TAO幕張ギガビットリサーチセンター(幕張RC)よりJGN回線を用いた800万画素ディジタルシネマ映像のリアルタイム配信が行われました。幕張よりJGN上に600Mbpsの回線を確保し、大手町JGN-NOCのNS8000で1000Base-LXに変換、会場である銀座ヤマハホールまではNTT東日本の提供するメトロイーサで接続した回線を用いて、約450MbpsのTCP/IP転送が実現されました。

▲接続概略図
デモにあたっては、転送に起因する映像の劣化は全くなく、純粋にフィルムの種類による品質評価を行うことができ、映像関係者からは、65mmフィルムからのディジタイズは一目瞭然の違いがあるとの評価を得ることができました。また、短いテスト期間で450Mbpsのストリームを流すことができたのは、JGN及びメトロイーサの品質、サーバ・クライアントマシンでの転送方式等の工夫によるものが大きかったと言えるでしょう。
[概要]
日時 |
2003年6月2日(木)13:00〜17:35 |
会場 |
銀座ヤマハホール |
主催 |
ディジタルシネマコンソーシアム(DCC)
デジタルシネマラボ/デジタルシネマ研究コンソーシアム
デジタル映像事業委員会(DCAj) |
後援 |
情報通信月間推進協議会/総務省
通信・放送機構(TAO)
超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会
財団法人テレコム先端技術研究支援センター |
[プログラム]
時間 |
内容 |
13:30〜13:20 |
開会
・開会挨拶:ディジタルシネマコンソーシアム会長
東京大学 青山友紀教授
・来賓挨拶:衆議院議員 野田聖子氏(収録HDTVによる挨拶)
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13:20〜14:00 |
講演・デモ1
演題:「4Kディジタルシネマの最新動向」
講師:ディジタルシネマ・コンソーシアム NTT未来ねっと研究所
藤井哲郎氏
4Kディジタルシネマの最新動向について、ディジタルシネマ・コンソーシアムが2002年度にハリウッドを中心に進めてきたプロモーション活動を中心に、デモを交えて紹介されました。このデモにおいて、TAOが提供するJGNの超高速回線を利用し、会場に設置されたSHDディジタルシネマクライアントシステムに対し、幕張RCに設置されたサーバから800万画素超高精細ディジタルシネマのリアルタイム配信・上映が行なわれました。 |
14:00〜14:40 |
講演・デモ2
演題:「デジタルシネマ制作技術と個人への配信研究」
講師:デジタルシネマラボ/ディジタルシネマ研究コンソーシアム
慶応義塾大学 稲蔭正彦教授 |
15:00〜15:40 |
講演・デモ3
演題:「サイドバイサイド上映実験結果の報告」
講師:デジタル映像事業委員会 東北芸術工科大学 辻英男教授 |
15:40〜16:00 |
講演4
演題:「デジタル映像時代のキーワードは人材の育成」
講師:デジタル映像コミュニケーション協議会
早稲田大学大学院国際情報通信研究科 坂井滋和教授 |
15:40〜16:00 |
講演5
講師:「ハリウッドにおけるディジタルシネマの最新動向」
講師:ディジタルシネマ・コンソーシアム事務局
Pacific Interface社 Laurin Herr社長 |
16:20〜17:30 |
パネル討論
演題:「ディジタルシネマのビジネス化に向けて」
司会:慶応義塾大学 小野定康教授
パネラ:Cafe Groove 浜田寿人氏
NTT-AT 渡部直也氏
パナビジョン・デジタル・イメージング・ジャパン 秋山雅和氏
DCAj 村上慧氏
Pacific Interface Laurin Herr社長 |
17:30〜17:35 |
閉会
閉会挨拶:東京工業大学 中嶋正之教授 |
[会場の様子]
[幕張設置サーバの様子]
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