▲株式会社富山県総合情報センター事業部 松田充主任研究員
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株式会社富山県総合情報センター事業部 松田充主任研究員
富山県経営企画部情報政策課 神田政計主事
インタビュー実施:2003年10月10日(於:富山県総合情報センター)
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◆はじめに
ブロードバンドネットワークを活用し、地域イベント映像の全国発信、他県との映像配信実験の連携に貢献していらっしゃる富山県総合情報センターの松田充主任研究員、富山県経営企画部情報政策課の神田政計主事を訪問しました。 |
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▲富山県経営企画部情報政策課 神田政計主事

▲とやまマルチネット
ネットワーク構成図
(出典:関連リンク集参照)
(クリックで拡大)
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研究の概要
当センターでは、富山県の県域情報ハイウェイ「とやまマルチネット」や学校インターネットなどとJGNを連携させ、とやまオンライン映像館を利用して、県内外のイベント等の様々な映像ソースを、利用目的に合わせて最適な映像データ形式に変換し、配信する方法について実験しています。本実験は、糸岡栄幸氏(現在富山県立志貴野高等学校教諭)が、当センター在任中に研究リーダとなって活動され、これにより、富山県内外の映像コンテンツのライブ配信の技術やそのノウハウが蓄積されました。昨年の具体的イベントとしては、「インターネット・フォーラム2002」、「JGNホットイベント(北陸情報通信月間2002)」、「アフリカ・オーストラリア皆既日食ライブ&セミナー
in とやま」を開催し、他県とも連携しながらJGNを活用した映像配信実験を行いました。
これまでの成果
2000年とやま国体の際には、大会の模様を県内のCATV局間ネットワーク、JGN及び衛星回線等を利用して、県内だけでなく、宮城、山梨、高知などに高品質映像配信しました。
このような活動とあいまって、県内のCATV事業者間ネットワークを活用した県域情報ハイウェイ「とやまマルチネット」が構築されました。また、富山の地域情報を提供するとやまオンライン映像館を利用して、地元のお祭りなど地域に密着したイベントの映像コンテンツをJGNと「とやまマルチネット」を連携させて配信してきました。
「アフリカ・オーストラリア皆既日食ライブ&セミナー in とやま」では、糸岡氏が中心となって、ライブ!ユニバースによって提供された日食映像をJGNを介して、とやまオンライン映像館でライブ中継(再配信)するとともに、学校インターネットで整備されたテレビ会議システム機器を利用して、富山県情報工房と富山市立西田地方小学校間で皆既日食に関する遠隔講義を実施しました。参加者は約200名で、両会場間で活発な質疑応答が交わされ好評を博しました。
以上のような実績から、映像配信実験に参加したメンバーの技術力が向上し、また、他県との映像配信イベントの運営ノウハウ、機器設定技術が蓄積されました。
また、インターネット上で配信している地元イベント映像は、県外在住の富山県出身者に非常に好評であり、多くの反響が返ってきています。
社会的貢献
JGNが契機となった「とやまマルチネット」の整備、とやまオンライン映像館によるイベント映像配信と並行して、県内にCATVが普及し、現在世帯カバー率は99%以上に達しています。これはCATVインターネットによるブロードバンド接続の普及に寄与しています。
また、県内の情報ネットワークに関わる機関が集まり、県として連携の取れた効果的なネットワーク社会の推進体制を目指して、富山県高度情報ネットワーク社会推進協議会(e-Toyama推進協議会)が設立されました。この協議会では、産官学の連携により、富山県の情報インフラの整備、人材育成等を行うための部会を設置しています。部会は、ネットワークインフラ部会、人材育成部会、アプリケーション部会、インターネット技術部会の4つから構成され、講演会、セミナー等において活発な検討が行われ、富山県の情報ネットワークの高度化に貢献しています。
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JGNについて
当初、JGNでのプロジェクト実施は8人体制でしたが、そのうちネットワーク技術者は1人しかいなかったため、イベントの際には人員不足に困りました。しかし、県庁やインテックW&G、NTT西日本富山支店、ケーブルテレビ各局等地元企業の協力により、多くの映像配信実験を手掛けることができ、人的、技術的交流を図ることができました。JGNプロジェクトの一環として、他県と連携した活動により得られた経験は貴重であり、特にコンテンツ配信における発信側と受信側のつながりが重要でした。
今後もJGN後継のプロジェクト等によって高速ネットワークが利用できるならば、ぜひ映像配信に利用したいと考えています。
ところで、プロジェクト実施により新たに構築された県内外の人的ネットワークは非常に重要ですが、人事異動などによる人的ネットワークの継続性について懸念されます。人的ネットワークや、プロジェクト運営などの蓄積されたノウハウを継承するための仕組みが必要になっていると感じました。
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◆おわりに
プロジェクト開始時には、ネットワークによる映像配信にほとんど携わっていなかったメンバーも、イベントにおける映像配信実験を通して、ネットワークの配線はもとより、各種映像ケーブルや撮影機材のセットアップ等をこなすようになるなど、貴重なノウハウが蓄積されていることが分かりました。
文責:JGNウェブ編集部 |
関連リンク集
株式会社富山県総合情報センター
とやまオンライン映像館
とやまマルチネット ネットワーク構成図
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