▲株式会社つくばマルチメディア
小田部文彦 代表取締役社長
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株式会社つくばマルチメディア 小田部文彦 代表取締役社長
インタビュー実施:2003年10月17日(於:於:株式会社つくばマルチメディア) |
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◆はじめに
つくば情報通信研究開発支援センター(つくばギガビットラボ)の長期利用者である株式会社つくばマルチメディアは、自治体のWebサイト運営、地域ポータルサイト構築、音声ナビゲーション等、Web-GIS技術を活用した新しいシステムの開発など様々に手がけておられる会社です。今回は、つくばギガビットラボを活用した、地域からのITビジネスモデルの発信について話を伺いました。 |
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研究の概要
TAOの2001年度公募に応募して採択され、つくばギガビットラボを利用して「V-Mavi」というシステムを開発しました。このシステムは、地図上の任意の二点を指定すると、最適な経路を動画や音声を合わせて案内するもので、インターネットでも公開しています。今後、地図上の任意の位置とそれにリンクするユーザの属性情報やアピール文章を登録することのできる独自開発の地図検索システム「Mapoint」と連動して、より汎用的に使えるシステムに拡張することを考えており、現在のつくば地域内におけるデモサイト運用のみならず、渋谷等の繁華街でも運用したいと考えています。
他には、店内に設置したライブカメラをインターネットから操作して、実際の商品を見た上で買い物ができるシステム「ON-AIR」も構築しました。このシステムは、2003年3月11日付け日経産業新聞1面にも取り上げられました。
さらに、ライブカメラの映像に、カメラのフォーカスしている位置に登録された情報が吹き出しで表示されるデモシステムも完成させました。このシステムの利用方法としては、煙の出ている建物がライブカメラの映像として捉えられた際に、火元の建物の住所や電話番号が表示されといった使い道が考えられます。
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これまでの成果
地域ポータルサイトを運営するための新しいビジネスモデルを開発しました。地域ポータルサイトの運営は、大企業や自治体関連など様々な機関が取り組んでいますが、どれも苦戦していると言われています。私どもの取り組みは、地域ポータルサイトとしては数少ない成功例として、多くの取材を受けています。そのビジネスモデルは、まず、「APOS」と呼ぶ地域ポータルサイトを運用するために必要とされた機能をパッケージとして完成させ、次に、このパッケージソフトを単にユーザに販売するのでなく、パッケージの利用する権利をフランチャイズの方式で展開する、というものです。この「APOS」を利用することで、低コストでの地域ポータルサイトの運営が可能となり、資本はないが意欲のある地方の企業が、新規ビジネスをはじめられるというものです。この地域ポータルに出店する地域の店舗にとっては、このシステムを用いることで、煩雑なHTMLファイルの編集する手間が不要となり、無料または、非常に少ないコストで簡単に情報発信ができますし、Googleなどの検索結果で上位にランキングされるメリットがあります。
その他、取手市のような大きい市でも、Webサイトを構築運営できる業者がいないため、市のホームページの運用を当社が行なっています。Webサイトの運営ひとつとっても、クリーニング屋さんのように、身近な地域内にどこにでもあるような時代が来るだろうと考えています。
社会的貢献
起業した会社、大学、役所と連携をとり、地域ベンチャー育成を行っています。その一環として、2002年10月にはつくばギガビットラボが主催するつくばギガビットビジネスフォーラムで「ベンチャーと企業経営
〜株式会社つくばマルチメディアの経験から〜」をテーマに講師を務めました。また、茨城県が開催している、ものづくり委員会の委員長としても活動させていただいております。
ギガビットラボについて
つくばギガビットラボが近くにあったおかげで、当社に来客があった際に併せて見学していただくことで、マルチメディアやITの具体的な未来像について理解してもらえた点が最も良かったと思います。しかも、その設備を日常的に活用していることをアピールすると、当社のような大企業でない会社の活動を信頼していただけるきっかけになった場合もありました。
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◆おわりに
2000年に会社を設立され、現在従業員24人、4つの支社を持ち、25の地域ポータルサイトを運営されています。ITビジネスそのものを大きく展開しながら、一方で新しい技術開発にも精力的なお姿から、大変感銘を受けました。JGNプロジェクトがこのような企業にも役に立っていることはもっと知られても良いと思いました。
文責:JGNウェブ編集部 |
関連リンク集
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V-Mavi
Mapoint
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