自律抑制型フロー制御方式の有効性を評価するために、シミュレーションにより、ウインドウ制御方式との比較を行った。評価対象モデルとして、高速ノード間の通信を低速ノードが経由し、低速ノードがボトルネックとなったネットワーク形態を取り上げている。
高速ノードが1パケットを転送処理するのに必要な時間を1単位時間とし、低速ノードが高速ノードの1/10の処理能力を持つものとして、最小サイズのパケットの連続投入による経過を評価した。図2にウインドウ制御方式を用いた場合のスループットと遅延の評価結果を示し、図3に自律抑制型フロー制御方式を用いた場合の同評価結果を示す。
これらの比較から明らかなように、自律抑制型フロー制御方式は速やかにスループットと遅延特性が安定することが分かる。
▲図2 ウインドウフロー制御における性能評価 |
▲図3 自律抑制型フロー制御における性能評価
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自律抑制型フロー制御方式については、以下の学会発表を行っている。
・林秀樹, 島村和典, “自律抑制型フロー制御によるネットワーク性能の改善,” 信学総大, B-7-69, Mar. 2003.