DCCS(Data Centric Cloud Service)
DCCSは多様なデータとそれを活用する機能をWebAPIとしてユーザーに提供し、それらのデータや機能を活用したアプリケーションやサービスの開発を可能とすることを目的としたテストベッドです。
DCCSの特徴
- 多様なデータと Beyond 5G を組み合わせたサービス創成のためのテストベッド
- NICT保有のデータや先進的技術などNICTの強みを活かした価値を提供
- B5Gネットワークを用いた新サービスの開発環境
- アプリケーションのサンプルや活用事例を蓄積しユーザーと共有することで、新サービスの萌芽を促し、いち早い検証と実用投入が可能
- 外部機関とも協力しながらデータや機能を開発(テストベッド分科会との連携、共同研究等)
システム概要
ネットワークレイヤおよびミドルウェアレイヤと連携し、多様なデータとその分析機構、さらにB5Gネットワークを組み合わせた、B5G時代のサービス創成に資するデータ連携利活用サービス開発環境を提供します。
DCCSを構成する主要なモジュール・機能には、以下のものがあります。
モジュール・機能 | 概要 |
---|---|
統合API | WebAPIによりデータや機能にアクセス可能な統一されたエンドポイントを提供します。 |
データ連携・分析 | 様々なデータを組み合わせて分析し、起こっている事象(イベント)を認識・発見・予測する機能を提供します。 本機能には、様々な分野のIoTデータを収集し組み合わせて、実空間の複雑な状況の予測分析を行うxDataプラットフォームの技術が利用されています。 |
開発者ポータル | WebAPIの使い方やアプリケーション開発の雛形となるサンプルアプリなど、開発に有益な情報を提供します。 |
プラットフォーム | 統合API経由で、NICT内外で開発された様々なデータや機能を提供します。下表に記載のプラットフォームの提供を予定しています。 |

提供プラットフォームには、以下のものがあります。
プラットフォーム(PF) | 概要 |
---|---|
多言語音声翻訳PF |
多言語音声翻訳(音声認識、多言語翻訳、音声合成)のサービスを提供します。 本機能には、先進的音声翻訳研究開発推進センターの技術が利用されています。 |
時空間データGIS PF | 地図・地理データ(町丁目境界、歴史的行政境界 etc.)や気象データ(気温・湿度、日射量 etc.)及びこれらのデータを活用する機能を提供します。時空間データGISプラットフォームの公開データが利用されています。 |
B5G連携PF (準備中) |
ネットワークレイヤの処理を意識せずに、B5Gモバイル環境を活用した開発と検証が可能となる機能を提供します。 |
上記以外のプラットフォームの提供も順次実施し、利用可能なデータや機能の拡充を進めていきます。
提供サービス
データ連携・分析機能
データ連携・分析機能では、様々なデータを組み合わせて分析し、起こっている事象(イベント)を認識・発見・予測する機能を提供します。 主に気象データや環境データを対象に予測を行うシステムの開発環境(WebAPIサービス)としてご利用頂けます。
また、ユーザが開発する際のベースまたは参考となるサンプルアプリとして、大気の質を示す大気質指数(AQI)を予測するシステム(「環境品質短期予測」)も併せて提供します。
これら開発環境とサンプルアプリを利用して、ユーザが独自に収集したデータを用いた予測システムの開発も可能となります。
データ連携・分析機能および環境品質短期予測を用いたサンプルアプリを公開していますので、ご参考にしてください。

多言語音声翻訳プラットフォーム
多言語音声翻訳プラットフォームでは、音声認識、多言語翻訳、音声合成の各機能と、これらを連携させることで入力された音声を翻訳し結果を音声で出力する機能(ライブ音声翻訳)を提供します。 なお、翻訳機能は会話相当の短文対応となっており、長文には対応していません。
多言語音声翻訳プラットフォームが対象とする言語は以下となります。
対象言語 | |
音声認識 音声合成 ライブ音声翻訳 (13言語) |
日本、英、中国(簡)、中国(繁)、韓国、タイ、フランス、インドネシア、ベトナム、スペイン、ミャンマー、フィリピン、ブラジルポルトガル |
多言語翻訳 (32言語) |
日本 ⇔ 英、中国(簡)、中国(繁)、韓国、タイ、フランス、インドネシア、ベトナム、スペイン、ミャンマー、フィリピン、ブラジルポルトガル、アラビア、デンマーク、ドイツ、ヒンディー、ハンガリー、イタリア、クメール、ラーオ、モンゴル、マレー、ネパール、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、シンハラ、トルコ、ウルドゥ、ウクライナ |
また、各機能はWebSocketおよびHTTPプロトコルのインターフェースを持つAPIで提供されます。
機能概要 | 対応するAPI | ||
---|---|---|---|
WebSocket API | HTTP API | ||
音声認識 | 入力された音声を認識しテキストで出力 | 〇 | 〇 |
多言語翻訳 | 入力されたテキストを翻訳しテキストで出力 | 〇 | 〇 |
音声合成 | 入力されたテキストを合成し音声で出力 | 〇 | 〇 |
ライブ音声翻訳 | リアルタイムで入力された音声を翻訳し音声で出力 | 〇 | - |

時空間データGISプラットフォーム
時空間データGISプラットフォームでは、気象データおよびGISデータを提供します。データの詳細情報や利用ポリシーについては、データカタログをご覧ください。
API・ライブラリを公開していますので、ご参考にしてください。以下にWebGISアプリケーションの開発例を紹介します。- ローカルひまわり WebGISアプリケーション上で各種気象データをオーバーレイ表示して比較することができます。公開しているAPI・ライブラリの内、Webページに時間軸バーを簡単に組み込む事が出来るTimelineプラグインを利用しています。

宇宙天気情報プラットフォーム
なお、2025年度は既に定員に達しており、次の受付は2026年度を予定しております。
宇宙天気情報プラットフォームでは、宇宙天気予報や宇宙環境のデータを提供します。
データ | 概要 | |||
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宇宙天気予報インジケータデータ (数値データ) |
宇宙天気予報のWebサイト で公開されている、以下の24時間予測値の数値データを取得できます。(1)太陽フレア規模、(2)プロトン現象規模、(3)地磁気擾乱規模、(4)放射線帯電子規模、(5)デリンジャー現象発生確率、(6)電離圏嵐規模、(7)スポラディックE層の発生有無。各現象のレベル分けの詳細は、Webサイト内の解説 をご覧ください。1日1回16時頃に更新します。 |
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電離圏全電子数データ (数値データ、画像) |
国土地理院のGPS受信機網(GEONET)データから求めた、日本上空の 電離圏全電子数(TEC: Total Electron Content)の2次元数値データや画像を取得できます。1~1.5時間遅れの準リアルタイムデータを1時間ごとに更新します。
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電離圏全電子数擾乱指数データ (数値データ、画像) |
国土地理院のGPS受信機網(GEONET)データから求めた、日本上空の 電離圏全電子数擾乱指数(ROTI: The Rate of TEC change index)の2次元数値データや画像を取得できます。1~1.5時間遅れの準リアルタイムデータを1時間ごとに更新します。
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オーロラ予報マップデータ (数値データ、画像) |
磁気圏シミュレーションにより計算した電離圏上部の物理量(電流密度・プラズマ密度・温度等)を元に計算した オーロラ予報マップ(Aurora Alert)の2次元数値データと画像を取得できます。オーロラ発生約1時間前に予報し、5分ごとに更新します(APIは1時間ごとに更新します)。
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静止軌道プラズマ物理パラメータ (数値データ) |
磁気圏シミュレーションと衛星モデルを元に計算した 衛星表面帯電リスク評価システム の数値データ(6物理量×静止軌道上位置1次元×太陽側面/陰側面)を取得できます。約1時間前に予報し、5分ごとに更新します(APIは1時間ごとに更新します)。 | |||
太陽フレア発生確率AI予測 (数値データ) |
太陽フレアAI予報モデルDeep Flare Net による確率予報(領域数×フレア規模3種類)の24時間予報の数値データを取得できます。1時間前の太陽観測データ(SDO衛星/NASA等)を用いて予測し、3時間ごとに更新します。 | |||
太陽放射線被ばく線量推定マップ (数値データ、画像) |
航空機被ばく警報システムWASAVIES で計算した全世界被ばく線量率(太陽放射線被ばく推定マップ)の3次元数値データ(高度0~100 km)を取得できます。太陽静穏時は1日1回、航空機被ばくの可能性が生じる太陽フレア(GLE)発生時(GLE発生モード時)には1時間ごとにAPIデータを更新します。
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DCCSトライアル
DCCSトライアルについては、こちらのページをご覧ください。
利用手続き
DCCS利用に当たっては、ご利用になられる機能やプラットフォーム等に応じて、それぞれの規約を遵守してください。
■参考
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ご相談・お問合せの窓口
総合テストベッド研究開発推進センター
NICT総合テストベッド事務局
電子メール tb-info[アット]ml.nict.go.jp
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