NICTは、2016年11月14日(月)から17日(木)にかけて米国ユタ州ソルトレイクシティで開催された「The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis (SC16)」へブースを出展、JGNのテストベッド環境を米国に延伸し、会場にて複数の組織が連携して実証実験、デモンストレーションを行いました。
※SCはスーパーコンピューティング分野で最大の学会であり、ハイパフォーマンス・コンピューティングや
ネットワークなど350を超えるブース展示が行われ、今年度は12000人以上の参加者を数えています。
【関連プレスリリース】--------------------------------------------------------------------
●世界最速の長距離データ転送に成功<NICT、NIIほか>
-ファイル転送プロトコルMMCFTPで転送速度150Gbpsを記録-
●日米の複数拠点のモーションキャプチャデータから
8K超高精細CG映像のリアルタイムレンダリング処理を行い、
非圧縮のままリアルタイム遠隔配信する実験に成功<神奈川工科大、NICT、NIIほか>
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今回の実証実験デモンストレーションでは、JGNの国内外基幹回線に加え、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下NII)が構築・運用する学術ネットワークSINET5をはじめとして、JGNと相互協力関係にある国内外の教育研究ネットワークが密に連携することで、東京から米国ソルトレイクシティ会場までの独立した2本の日米100Gbps実験回線(合計200Gbps)を実現しました。
映像伝送実験はNICTと神奈川工科大学ほかとの共同研究のもと、<実証実験 参加機関>に記載の機関の協力・協賛を得て実施しました。
実験では、8K映像として神奈川工科大学(神奈川県厚木市)およびNICTが運用する大規模エミュレーション基盤StarBED(石川県能美市)に、8Kライブカメラ、8K録画コンテンツを設置しました。また、会場ブース内で神奈川工科大が研究開発するモーションキャプチャセンサを実験者が装着し、キャプチャデータを日本に送りつつ日本側のキャプチャデータと合成して8KでのリアルタイムCGレンダリングを行いました。これらの8K映像データソースは順に切り替えて映像元とし、JGNアクセスポイントで暗号化、米国会場ブースで復号することで日米間リアルタイム配信を実現しました。データは1映像ストリームあたり約26Gbpsにのぼります。会場では多くの来場者に対し、8K TVモニタによるデモンストレーションを行いました。
NIIが開発したファイル転送プロトコル MMCFTP(Massively Multi-Connection File Transfer Protocol)を用いて、日米間の100Gbps実験回線を2回線用いることにより、世界最速となる約150Gbpsの伝送速度で1~10 Tbyteのデータを安定的に転送することに成功しました。今回のような実験においては複数のドメインを経由して実験に必要な条件を満たす必要があり、JGNの高度なオペレーション技術や国際間での運用面の強い連携組織間のコネクションや技術的知見が生かされました。