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JGNインタビューvol.004

【総合TV推進のリーダコメント特集】『IoT時代に向けて「NICT総合テストベッド」がスタート!』

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  2.   3年後の東京2020大会を目標に、IoTとAIを活用してさらに「LIFE's net」を進化
    ― JGN上で『「LIFE's net」×IoT×AI』のリアルタイムFBシステムを構築し、強化促進・怪我防止を実現 ―

───相手国チームが「LIFE's net」の真似をするというお話が出ましたが、この映像サポート分野では日本チームが先行しているのでしょうか?

楠本:テコンドーに関してはイギリスが進んでいますが、今は日本とイギリスで互いに切磋琢磨しています。女子57キロ級では、日本人の世界チャンピオンとイギリス人のオリンピックチャンピオンのチームがどの試合に行っても最初のカメラセッティングの場所取りからかち合うんですね。電源が取れて、かつ、いいアングルで撮影できるところをゲットするところから始まります。まあ互いに仲は良いのですが・・・(笑い)。全部のカメラで撮影したものを日本チームはiPadに入れて持っていきますし、イギリスはコーチが来て、映像をいろいろ見て、叩いて分析して、それを持って選手のところに行っていますね。

───テコンドー以外の種目やパラリンピック種目での映像サポートは、どうですか?

渋谷:パラリンピックというか、スポーツ界で世界的には一番進んでいるのはオーストラリアとドイツだと思います。この両国はそもそもスポーツの科学分析で世界のトップを走っていたので、日本のJISSも含め多くの国で、オーストラリアやドイツの施設をモデルにしています。また、映像を撮った後に何をしているかについては、各国ごとにやはり観点が違いますし、種目によっても、オリンピックとパラリンピックでも違います。大会によっても着目点は変わってきますね。

───国ごとの観点の違いに加えて、コーチや監督によっても分析項目や方針が変わってくるんですよね。

楠本:だいぶ変わりますね。JGNを活用した映像提供をスタートした2013年秋から2016年リオ大会までの間にテコンドーは監督が変わったのですが、見たいというポイントが全く違いましたし着眼点も異なっていました。やはりコミュニケーションのツールとして正しい判断をするために使っていただけるよう役立ちたいので、指導のピントを監督の希望に合わせるようにすることが必要でした。監督やコーチから「こういう映像が欲しい」などの依頼をされたときには、タグ付けによってサラッと出せる場合もありますし、新たにもう一度やり直さなければならないケースもあります。そうならないように、なるべく細かくタグをつけていますが、構えの定義や前提条件が変わる場合は、全部やり直しになりますね。

───タグ付けを全部やり直すのは本当に大変でしょうね。ところで、楠本さんと渋谷さんは分析スタッフということですが、具体的にはどんなことをされているんですか?

【図2-1】分析スタッフの仕事
【図2-1】分析スタッフの仕事
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楠本:分析と言ってもいろいろありますが、私が担当するテコンドーの場合は、大きく分けて試合の分析と練習の分析の2つになるかと思います。試合の場合は、対戦相手の傾向とか自身がどんな戦術で戦うかというゲーム分析です。例えば、「リードしているときには余裕でやってくるけれども、負けているときは思い切って頭を狙ってくる」などの傾向がわかるよう、分析してPDFにまとめています(【図2-2】参照)。また練習の分析では試合と見ているスキルが異なり、「ちゃんと蹴れているか」「ステップのときに重心が残っていて、あんまり速くできてない」「ターンキックで重心の移動がちゃんとできてないから、すぐ隙につながる」などのように、動作分析が中心となります。(【図2-1】参照)。

【図2-2】得点傾向など分析した結果をまとめたPDFのイメージ
【図2-2】得点傾向など分析した結果をまとめたPDFのイメージ
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渋谷:僕はボッチャなどパラリンピック競技全般を担当していますが、基本的には楠本が担当するオリンピック競技と同様、練習や試合の映像を撮って、そこからいろいろ分析していくことは変わりません。ただ、パラリンピック競技の選手の場合は、それら以外の部分、例えば雑談している様子も撮影はしませんがよく観察するようにして、聞かれたときに答えられないことがないように気を付けています。というのも、パラリンピック選手の場合はコミュニケーションがなかなか上手くとれないこともありますし、健常者のように「顔色が違うから、今日は体調が悪そうだ」という感じで体調を見分けることが難しい場合もあるからです。ですから、僕としては「今、何が起きていて、これから何が起きるのか」ということをしっかり注目するようにしています。

───同じハイパフォーマンスサポート事業の分析スタッフでも、オリンピックとパラリンピックでは、見ていくべきものが異なるということですね。

渋谷:そうですね。オリンピックの場合はやはりパフォーマンスに直結した部分を見ていかなければいけないのですが、パラリンピックの場合はパフォーマンスの向上や競技力の向上は、医療的なところに直結してくる部分でもあるので、さまざまな知見がないと難しいと思います。

───ところで、楠本さんが研究開発しているシステムは「LIFE's net」という名称とのことですが、テコンドー専用のシステムですか?

楠本:いいえ。はじめはテコンドー用に開発をスタートしましたが、今は他の種目でも使っています。ただ「LIFE’s net」という名称は私が勝手に付けました(笑)。というのも少しお恥ずかしい話にはなりますが、勝つために必要なデータがバラバラで蓄積され、どこに何があるのか分かりにくい状態でした。やはり「強化に関わる情報はここに全部ある」「逆にここを探してなければどこにもない」という状態を作らなくてはいけないと思い、先行してシステムの名称を考えました。Link Information From Separate Databasesの文字をとって「LIFE's net」という名前をつけてロゴらしきものをまず作り、そのあとにJGNを使ったシステムの開発がようやく追いついた形ですね。

【図2-3】JGN上に構築された「LIFE's net」の活用イメージ
【図2-3】JGN上に構築された「LIFE's net」の活用イメージ
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───なるほど、「LIFE's net」で目指したのは強化に関わる情報の一元化ですか。このシステムは、今はどんな種目で利用されているのでしょう。

楠本:テコンドー以外でアカウントが発行されているのは、オリンピック種目ではレスリング、卓球、バドミントン、フェンシングなど。もっとあるんですけれども・・・。

小林:フェンシングは、効果がありそうですよね。

楠本:はい、ありますね。

───「LIFE's net」利用は、1対1でやる対戦スポーツが中心なんですか?

【図2-4】「LIFE's net」の利用実績とリオ大会でのメダル獲得数
【図2-4】
「LIFE's net」の利用実績と
リオ大会でのメダル獲得数

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小林:1対1だけでなく、団体もありますし、バドミントンや卓球は2対2のダブルスもありますよ。

楠本:パラリンピックの種目も入れると、もっとたくさん利用しています。車いすテニスでも使っていますよね。

渋谷:はい。車いすテニス、ウィルチェアーラグビー、ブラインドサッカー、あとは、パラアーチェリー、ボッチャで利用しています。テコンドーやフェンシングのような対戦型の競技だけでなく、このシステムが必要だという場合もかなりあると思います。特にアーチェリーのように目で見てシューティングする競技では、映像情報との親和性が高いですね。「LIFE's net」を使ってないシューティング系の種目、例えばピストル、ライフル、クレー射撃でも、映像の分析やサポートという部分でかなり発展していると思います。

楠本:使い出した経緯は他の対戦系とは違いますが、オリンピック種目ではトランポリンも使っています。

───情報の一元化を実現する「LIFE's net」は、ハイパフォーマンスの多くの競技に利用されているシステムに成長し、そしてその命名者であり開発者が楠本さんなんですね。素晴らしいです。

楠本:これからはさらに重要なシステムになってくると思いますが、現在は全部の情報を集約し切れていないので、まだ開発の通過点です。2020年の東京大会までにはシステムのパフォーマンスをアップして、名前負けしないシステムに育てていく予定です。でも、あと3年しかありません。

───東京2020大会のオリンピック・パラリンピックを目指した今後の「LIFE's net」について教えてください。

楠本:今後の開発についても、恩師の小林先生からいただく言葉がキーになると思います。お会いする機会はあまり多くないのですが、お話を伺うタイミングで、これから必要になるであろうキーワードをぽんとおっしゃって、立ち去られるんです。実はその時点では私にはよく意味がわからないのですけど・・・。

小林:まず言って、そのまま放置してしまうんです(笑)。

楠本:2年ぐらい前には「IoTがいるようになるよ」と言われましたが、その時は私にはIoTがよく分からず、「IoTって何?」という感じでした。

小林:前回会ったときには、「今度は、解析でAIだから」と言っておいたのですが、実際AIは来ていますよね。

楠本:はい、AIも同じです。小林先生からお聞きしたときにはピンと来ていないのですが、だいたい半年~1年後には、その言葉が社会的にもクローズアップされてくる感じです。「LIFE's net」の目的を達成して選手とか監督のニーズに応えていくためには、次はまずIoTで埋め込んだデータをセンシングしてリアルタイムに取得し、そのビッグデータに対して、AIでさばいてリアルタイムで現場に返すという部分を着手しないといけないと考えています(【図2-5】を参照)。小林先生がおっしゃったように、他国と同じことをやっていても勝てないし追いつかれます。ただ、今簡単にできる技術を入れたとしても、現場にとってはとても革新的なことで少し難しく感じてしまうので、ちょっとハードルが高いだろうなとは思うのですが、IoTやAIはなんとしてでも取り入れていきたい要素です。

【図2-5】東京2020大会のメダル獲得に向けた「LIFE's net」の方向性
【図2-5】東京2020大会のメダル獲得に向けた「LIFE's net」の方向性
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───今やスポーツは、情報戦の時代なんですね。

小林:情報戦ですね、イギリスやオーストラリアなどに勝つためには・・・。例えば時間で区切っている競技の場合には、筋肉内の乳酸値などをセンシングして、そのデータと選手の動きやパフォーマンスが時間の経過とともにどれぐらい変化し、ピークがどこになるのかを解析していかないと、これから先、どんどん辛くなるかなと思っています。

楠本:そうです。

小林:映像だけではなくて、それ以外のそのデータとの複合、そしてそれをどう解析していくかが大事です。今だとAI技術を使ってないと、映像の解析をするだけでもう時間的に手いっぱいで、プラスアルファを組み入れることができない。人間がやらなくてもいいところはどんどんマシンに任せて、そのプラスアルファを追加していくという方向に行ければ、もっと成果が出ると思います。

楠本:おっしゃるとおりです。今お話に出た乳酸値や心拍のセンシングも必要ですし、テコンドーにおいては、ステップで足裏のどこに圧力がどれぐらいかかっているかというデータも重要です。

小林:2017年の1月にラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronics Show)では、胸に直接貼るシート形式の心拍用センシングセンサーとかのプロトタイプが展示されていました。無線機能が内蔵されたものが小型軽量化され、スポーツをしながらでも心拍をセンシングできる装置が、もうすぐそこまできています。価格性能比は・・・、お風呂にはいったらもう使えないというぐらい(笑)。でも、強化合宿期間中の練習の初めから終わりまでとか、練習試合とかに限定していけば、その選手のパフォーマンスやスタミナについて、トレーニングの前後、試合の途中の経過でどういう変化をしているかというようなことがちゃんとデータとして取得できます。これによって、練習を長引かせてはダメな選手とそうじゃない選手の違いがはっきりするでしょうし、間違ったコーチングもデータ的に示されるので、スタミナのつけさせ方か、疲労の回復法とか、あるいは短期決戦するための指導とかを具体的に考える方向にも行くかもしれませんね。何より姿勢がいつもと違うとか今日の心拍数が最初高かったとかという状態の変化、試合ごとの変化、実際に映像で見えてくることの違いといったものが複合的に解析できるようになってくると、より一層コーチが指導しやすくなるし、選手にとっても良いことだと思っています。

───情報戦の時代は、映像サポートだけではなく、フィジカルなどいろいろなチームによるデータを使った総合的な戦いになってきていますね。

楠本:フィジカルなどの部分も大事でもう無くてはならないものと思っていますし、映像を解析してフィードバックするためにやはり映像や情報をリアルタイムで見られないといけない。モータースポーツのレースを例にすると、車が動いているときの映像に対して、ドライバーの心拍、エンジンの回転数、タイヤの温度などもリアルタムで収集分析していますよね。生身の人間の場合も、今やたくさんの情報をリアルタムで収集し、すぐ見て分析・対応していかないともう強化にはつながらないなというイメージです。

小林:今、OakleyというサングラスメーカーとIntelが、マラソン選手が走っている時に、視線がどれぐらい移動して、どれぐらい疲労するかという情報を収集すると言っていたと思います。視線の変化で、疲労度が分かるのではないかという仮説の検証ですね。そのバリエーションとして、IoTデバイスやウェアラブルデバイスがどんどん小型化して、いろいろなスポーツ競技でリアルタイムにいろいろな処理ができるようになってくれば、それを活用して選手にフィードバックすることができるようになってくるんじゃないかと思います。

───視線の変化で疲労度を検証するのと同様、「こういう視点でこうしたらこうなる」という仮説を立て、今あるデバイスやシステムをうまく活用していく可能性もありますか?

小林:あると思いますよ。Oakleyのサングラスは、1月のCESでもう展示されていました。軽くて普通のサングラスなのに、「おお、凄い」みたいな感じでした。サングラスの中に透明なディスプレイが映ってパラメータの数値とか出てきますが、それをどのように視線がとらえているのかについても同時にセンシングできる。もうなんか未来的な感じになっています。

楠本:スポーツではよく言われることですが、どこをどう見ているかはとても大事です。点で見ているか全体像で見ているかということも、熟練度によって差がでます。私たちが対応している選手に関しては、みな熟練されているので、その差異は誤差範囲かもしれませんが・・・。
実は我々が1番避けたいと考えているのは怪我・病気・故障です。明らかに怪我や病気・故障が発症していればすぐにわかりますが、複数のパラメータでいろいろなところをリアルタイムでセンシングする中で危険を示す部分が数値化されて、発症する前のポイントでアラートが鳴るといいと思っています。成長と怪我は外れ値という意味で似ているため、コーチとしてはそれがどちらに転ぶか判断がしづらいので、選手を順調に成長させるために本当に知りたいポイントなんです。選手にとっても頑張りすぎて怪我や病気になると、回復までに数週間~3か月ぐらい掛かるので、練習もできない・代表から外されるというようにデメリットばかり。「痛いから抜ける」ということを美しくないとするスポーツの世界もまだまだあるので、ICTやAIというテクノロジーを使うことによってそんなターニングポイントを回避できるとしたら、強化対策が全く変わってくると思います。

小林:スポーツのパフォーマンス分析サポートは、映像だけではありません。最初に「IoTだよ」と言ったときからスタートしているんですが、映像以外に、要はわかるというか測定できるもの、先ほどの乳酸値や心拍数などに加え、音なども競技によってはものすごく影響するはずです。例えばブラインドサッカーは、周りの声援や環境で状態が完全に変化してしまいます。それも我々が感じる音と選手が感じる音は多分違っています。そういう違いがあるがゆえに、他の競技でもその集中力に対して周りの周辺の音がかなり影響してくると考えています。ですから、それを臨場感音声とか、その要素として取り入れられるものはたくさんあるはずです。

───臨場感音声ということは、バーチャルの体感ですか?

小林:そうです。音だけでなく、温度、風なども入ります。バドミントンや卓球は風の影響が大きく、体育館の中で吹いている風を感じられるかどうかで選手の行動や動作が変わってきます。競技中でも、センシング技術などでその差を選手にフィードバックすることができれば、対応が変わってくると思います。特にトップ選手になるほど重要になるはずです。事前にバーチャルで再現し体験できるところまで行くと、本当にすごいことになると思っています。

渋谷:先生が今おっしゃった環境に適応するためのトレーニングは、実レベルではかなり昔から行われています。例えば卓球では、中国での試合の環境音を取ってきてそれを流しながら練習したりとか、次の大会場所が極端に寒い地域であれば室温を低くして練習をしたり厚着をして動いたりして、どういう差異が出るのかを体験させていることもあります。ただ、実際に数字化するとか、リアルタイムにセンシングしてフィードバックするということは、現状では難しい。また、映像というと視覚的要素のイメージが強いですが、実は聴覚要素も大きいのです。ですから、聴覚的要素の重要性にも注目しています。

小林:どれを何時やると成長につながるのかという判断を間違えないようにしなければいけないですし、予算やヒューマンパワー、選手・監督の要望などの複合的な要素で、やりたいことが必ずしもできるとは限りません。しかし、その中でコツコツと成果を出していくことが大事だと思います。

───やるべきことはたくさんあるとは思いますが、映像から始まったパフォーマンス分析サポート「LIFE's net」は、この先が楽しみです。

小林:よく「ここまでできたら終わりでしょう」という人がいますが、「LIFE’s net」の研究は今始まったばかりで、競技の成績やその発展につながるという理解を示してくれる人たちが出始めたぐらいです。いろいろなことがあると思いますが、やはり二段階・三段階を経て、一般化していくものだと思っています。以前JGN-X時代のインタビューで「携帯電話のように、普通の人たちが『えっイノベーション? それって当たりだよね、普通に売っているじゃん』というようになって初めて、イノベーションと言える」とお話しましたが、将来、この研究もイノベーションになりえると思っています。何年も経ってから「あの頃のスポーツ解析は大変だったらしいけれど、信じられないよね」となるように、これからも挑戦してもらいたいですし、僕も判断できる範囲内で支援していこうと思っています。

楠本:数値化することなど、本当にまだまだやるべきことはたくさんあります。一般の皆様は選手の強さをメダルの有無で評価しがちですが、日々頑張り強くなっている選手を皆様に認めていただけるようサポートしていくためにIoTやAIを利用して「LIFE’s net」のようなシステムを確立して、選手・監督・コーチ・分析スタッフがみな簡単に使えるようにしていきたいです。そして僕らのサポートで、スポーツ分野だけでも頑張った人が頑張った分だけ上に行けるような世界になることを願っています。生身の人間だからこそ筋肉の質などの生理学的な要因もありますが、選手のパフォーマンス向上にはICTなどのテクノロジーが介入する部分も大きいのではないかと思っているので、「LIFE's net」を進化させて選手をサポートしていくことは非常に楽しいです。反面、やるべきことがたくさんあって頑張らなくてはならない分野でもありますね・・・。

渋谷:パラリンピック種目でもほとんど一緒ではありますが・・・。パラリンピックは2020年の東京大会があるからこそ、着目されているところも大きいと思います。でも今まで積み重ねてきた部分からみてもオリンピック種目以上にIoT・AIとの親和性がとても高い分野なので、今後も「LIFE’s net」のようなシステムを進化させて活用しながら、選手強化だけではなくて、その障害を持たれている多くの方達の明るい未来や医療の側面に関しても有効的に活用できたらいいなと考えています。

──選手のためにIoTやAIを活用して「LIFE's net」を進化させたいというお二人の思いがよくわかりました。では最後に、小林先生からお二人に一言お願いします。

小林:本当に頑張らないとできないシステムなので、頑張ってください。何もしなかったらどんどん置いていかれます。しかし、競争状態にあるということは、その結果が比較的簡単にわかりますから、勝ったときだけでなく、しっかり負け方を分析することが大事で、次につながると思います。

楠本:確かにそうです。頑張ります。

───あっという間の1時間でした。ありがとうございました。そして、「LIFE's net」の進化を楽しみにしています。

   <2017.03/国立スポーツ科学センター(JISS)においてインタビュー>


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※【図2-1】~【図2-5】出典:
2017年2月に開催された第2回テストベッド分科会にて発表した楠本氏の資料をもとに作成


>テコンドー会場での支援イメージ(試合映像の撮影及び分析
テコンドー会場での支援イメージ
(試合映像の撮影及び分析)

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渋谷暁享氏
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楠本一樹氏
楠本一樹氏
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  • 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
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    総合テストベッド研究開発推進センター テストベッド連携企画室

    〒184-8795 東京都小金井市貫井北町4-2-1
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