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JGN-Xインタビューvol.016

JGN-Xユーザ研究室訪問
  『高知県の情報化アクティビティを支える、高知工科大学』

第15回JGN-X研究者インタビュー 北陸StarBED技術センター・宮地利幸センター長
■左から、情報学群 福本教授・吉田准教授・植田講師/地域連携機構 連携研究センター 菊池教授

第16回のJGN-Xインタビューは"ユーザ研究室訪問"ということで、高知工科大学の香美キャンパス(高知県香美市土佐山田町)にお伺いし、福本先生はじめ、菊池先生・吉田先生・植田先生の研究室や教室を見学させていただきました。そして、高知県の情報化アクティビティを支える先生方それぞれの研究内容や活動についても、座談会形式でお話を伺いました。

1. 仮想技術等のICTにより、南海トラフ大地震対策や医療などに
  貢献する高知工科大学のメンバー

今回は、高知工科大学のメンバーのうち、情報学群の福本先生
・吉田先生・植田先生、地域連携機構 連携研究センターの菊池
先生にお集まりいただき、研究内容や活動についてお話を伺い
ました。また、研究室と教室なども見学させていただきました
ので、先生ごとにに研究内容と写真をまとめました。

地域連携機構棟前に集合した座談会参加の先生たち
<左から>福本先生・菊池先生・植田先生・吉田先生
  (右端は元JGN関係の職員だった吉田さん)
■情報学群 教授/福本 昌弘氏 (兼・情報システムセンター長)
本来の専門は音などのディジタル信号処理という基礎研究ですが、通信関連で防災や医療などへの応用研究もすすめています。特に地域間連携医療情報ネットワークでは、バックアップした電子カルテへのアクセス権コントロール、秘密分散法などのアルゴリズムを用いたセキュリティ下でのデータ通信、災害における通信環境においても必要な医療情報(処方データ)が見られる仕組みなどを研究しています。
また、音と医療の両方に関係する研究として、遠隔診療において電子聴診器の音を医師に転送する際、信号処理によって呼吸音の異常が疑われる箇所を検出するような仕組みも作っています。

■地域連携機構 連携研究センター 教授/菊池 豊氏 (兼・地域情報化サイクル研究室長)
情報インフラや技術、そしてIXも都市に集中し、キャリアサービスも都市向けとなっているため、地方では使いにくく受け身にならざるを得ず、地域情報化発展の障害になっています。この問題を解決するため、インターネットにおける地域指向型トラフィック交換モデルの研究開発を進め、情報流通の地方分権とインターネットの再デザインに携わっています。
そして地域活性化に貢献するため、学内に「有限会社ナインレイヤーズ」を設立*1。地域主体の情報インフラ拠点として、災害に強い冗長回線サービスや地域の通信拠点となる高知IXサービスを運営しています。
さらに、制度的に再生可能エネルギーが扱えるようになったタイミングで、スマートグリッド技術など地域指向技術の研究開発を通じて、小水力発電などにも取り組み*2、地域を活性化していきたいと考えています。
 *1:2004年に(有)ナインレイヤーズを設立<代表取締役社長>  *2:2012年に地域小水力発電(株)を設立<取締役>



■情報学群 准教授/吉田 真一氏
今、医療機器と人口知能などの工学分野を融合させた「医工連携」という新しい研究に取り組んでいます。医療での判断に工学的なパターン認識のアルゴリズムを使うことが特長で、高機能MRIで脳の活動そのものを計測し、そのままネットワークを介してスパコンにつなげて統計処理。数多く学習させることにより、言葉で伝えられない痛みや精神病・認知症などをパターン認識する新しいアルゴリズムを開発します。脳内のコード化された情報を導き出す=デコードするということで「ブレインデコーディング」と呼ばれ、世界的に注目されている研究の1つです。
この開発したアルゴリズムをもとに、連携している拠点病院の低機能MRIデータからでも本学の高機能MRIと同じ精度で予測・判定して医師にフィードバックできれば、軽度認知症などの早期発見などにも役立てられるのではないかと考えています。
 【参考】吉田先生の研究は、JGN-Xを活用した『日本一の健康長寿県構想」に資する高度脳画像クラウドの研究開発』として、
     2015年7月、総務省のSCOPE(戦略的情報通信研究開発推進事業)に採択された研究にも活用されます。

■情報学群 講師/植田 和憲氏
研究テーマはP2Pネットワークモデル。実際の物理ネットワークとは別に、コンピュータ同士が自律的に論理ネットワークを構成し、そこで通信相手を探したりサービスの提供を受けたりするものです。異なる基準で動く論理ネットワークを複数用意して切り替えて使うことにより、アプリケーションや用途に応じた効率的な検索や通信が行えると考えています。
応用はこれからですが、JGN-XにあるPIAXテストベッドを使って、通常のデータ通信に加え、センサーネットワークを活用した災害時の避難誘導システムやモバイル向けの映像配信などのアプリケーションを想定して、検証しています。特に、温度などのセンサーノードを活用して避難路の状況を判断する避難誘導システムはまだプロトタイプですが、30年以内の南海トラフ大地震発生が想定される高知の地理的要素を考え、意義あるものにしていきたいと思います。

  • 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
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